VANILLA
期間:2006-2008
用途:専用住宅
所在地:神奈川県横浜市
規模:地上3階
構造:S造
用途地域:準住居地域
許容建蔽率・容積率:60%・200%
敷地面積:70.0m2
建築面積:36.58m2
延床面積:109.74m2
構造設計:名和研二/なわけんジム
施工:大同建設 高橋和夫
写真:上田知正、児玉遼
担当:児玉遼
October Ueda and Nakagawa Architects

筒型(門型)形状としては最も安定したタイプ。(fig.1) これは、軽くすることがコスト上の最優先事項であるから材が細く、SKEWやHYDRAとちがって筒型部が3層あるからである。計画初期段階では両袖筋交いモデルの筋交い位置を各階でバラバラにした案を検討していたが、手間削減もクリティカルになったため同形状(寸法違いはある)を3層繰り返すことにした。梁はダブルでプレートを挟んで全溶接である。(fig.2)

名和氏は、計画初期段階から「敷地、バジェット、要望」をどう料理するかを一緒に考えてくれる。ブレーンストーミングよろしく色々話すのは非常に楽しい。最初期はプレートで総て考えていたが鉄の高騰は尋常ではなかった。すでに高くはなっていたがもうどうしようもない。その後角形鋼管案に移ったが、始めは60角で考えていた。実際それでOKだが、今回は細すぎることで逆に難しくなる手間を考慮して75角とした。60角の風景はかなり違うだろうが、もっと細い無垢材が風景としては見られる以上、多層階の計画で無理をする必要もない。60角だと納まりはかなり厳しく精度のレベルは格段に上がってしまっただろう。

現場溶接もあったが極端な技量を要するような内容にはしていない。現場溶接で作品性を担保するような考え方ではない。量的にはそこそこあったが、要は歪みに対する考え方である。ドライジョイントで形を維持できるようにして溶接していけるようには少なくともなっている。

スチールの表し部で直接雨水をかぶる部分は防錆処理(今回は防錆塗料)をしている。