SUBDIVISION
期間:2005-2005
用途:専用住宅
所在地:東京都西部
規模:地下1階、地上1階
構造:RC造
用途地域:第一種低層住居専用地域
許容建蔽率・容積率:40%・80%
敷地面積:146.24m2
建築面積:58.41m2
延床面積:114.75m2
構造設計:木村佳央/木村佳央建築構造設計室
施工:ケイワイ建設 大木健
写真:平井広行、上田知正
October Ueda and Nakagawa Architects

敷地は東京西部にある開発分譲地です。開発した割には、地形は変形(台形)で、敷地面積の半分が法面(下半分は間知ブロック擁壁、上半分は法面)という厳しい土地です。しかも平地は台形の狭い側です。つまり、どうしても上手く切り分け(区画)られなかった部分なのです。

地盤調査の結果、間知ブロック天端ぐらいに支持層がありました。支持層まで掘れば、平地相当の面積は格段に増えます。法的には地下扱いにすることでそれを目一杯つかっても建蔽率を気にせずにすみ、ドライエリアを設けずに外部に開放できます(しかも間口の広い側で)。これはこの敷地の最良の潜在的可能性です。

それによってメインとなる地下部(地下感のない地下)は40%という建蔽率をはるかに超え、十分な接地面積を確保し、水平的広がりを獲得することができました。

メインの開口は南面しているので、腰部を設け出窓的な奥行きを作りながら開口高さをある程度制限し熱取得を抑えています。地下方向の工事なので必然的に地下部分はRCになりますが、地上部を含め徹底的にRCで作ることでコストパフォーマンスを上げています。

subdivision とは、下位分割という意味ですが、不動産用語としては「分譲地」という意味です。郊外で、山を削り、道路を付け、区画を切り分けていく。経済行為の効率から自然の形の影が残りますので、必ず上手く切り分けられなかった部分が残ります。subdivision はそういう敷地に建っていて、それを逆手にとっているということです。

subdivision と DoubleBlind はそれぞれ第23回吉岡賞候補に選出されました。