HALFROOMS
期間:2006-2007
用途:専用住宅
所在地:東京都江戸川区
規模:地上3階
構造:S造
用途地域:商業地域
許容建蔽率・容積率:100%・500%
敷地面積:58.09m2
建築面積:45.60m2
延床面積:109.41m2
構造設計:木村佳央/木村佳央建築構造設計室
施工:岩堀建設 岩堀カズミ
写真:上田知正
October Ueda and Nakagawa Architects

当事者意識に溢れたこのお施主さんでなければ、このスケジュールで完成させることはできなかった。明るく前向き、良い仕事の領分の考え方、生きたお金の使い方、人を信用する力、決断の早さ、我慢強さ。特定の施主をほめるのもどうか、という気もしますが、このプロジェクトで特筆すべきことを考えるとまずこれを書かずにはいられません。

関係するそれぞれのエキスパート達の仕事をしやすくすることが、結果的にいかに自分のためになるかを知っている。これは妥協を重ねるのとは全然ちがう。施主は海外で沢山の人が関わる大きなプロジェクトで重要な仕事をされていて、物事がうまくいくことが当然だと思っていない。その心構えがあるから、うまくいっていることがいかに凄いことか想像できるし、それに感謝することができる。

そのような訳で、スケジュール的には大変厳しいものがあったが、一緒に仕事ができたことを感謝している次第。技術的な話し以前のことだが、実際にものを作るということ、大きなプロジェクトを最後までもっていくこと、こういったことがどういう事か、建築家や施工者は嫌でも学ぶが、それを始めからこれほどまでに想像できている施主は珍しかった。

施主こそプロジェクトの中心、精神的柱であり、人がものごとを動かす。ハウスメーカーで家を買う人が客なら、建築家を雇って設計させる人は主です。選んだ建築家のポテンシャルを120%引き出す。当たり前のようですがなかなか難しいんですね。