DOUBLEBLIND
期間:2003-2005
用途:専用住宅
所在地:東京都目黒区
規模:地上3階
構造:RC造
用途地域:商業地域
許容建蔽率・容積率:80%・500%
敷地面積:60.18m2
建築面積:47.96m2
延床面積:117.39m2
構造設計:木村佳央/木村佳央建築構造設計室
施工:吉野建設 谷晋吉
写真:上田知正
担当:坂野修崇
October Ueda and Nakagawa Architects

前面道路が狭いので車の軌道で1階のプランは決まっている。袖壁があると邪魔なので斜めに出来る限りカットしている。玄関が奥に位置するので開放性を高めるという意味でも良く機能している。1層目には、仕事上必要な暗室、仕事上大量にある靴を置いておくスペース兼トイレ、そしてそれに覆い被さるように階段がある。

2層目は1ルームのリビング・ダイニング・キッチンだが、ここでキッチンユニットを同じ床レベルから立ち上げると、それで終わりという感じになってしまう。このフロアが実際にも広く感じられるのは、キッチンユニットを下げ、ダイニングテーブルを床座りにし、キッチンと一体化して建物の形態に寄り添わせているからである。この真下が暗室で、暗室の天井は下がるが、根入れ分を使って暗室の床も下がっている。

3層目はそれと逆のことが起こっており、キッチンの上の床が上がっている。キッチンは床が下がり天井が上がっているため非常に高い天井高となり、狭さを感じさせない。R階に行く階段がその位置にあるため非常に大きい。これは仕事上大量にある衣装の保管室を兼ねており、サイズは有効に使用されている。

設計的には外形頂点の3次元座標値を指示していくやりかたで、施工中は頂点間に張り巡らせた水糸が空中に踊っていた。型枠大工は良い仕事をしてくれた。コンクリートの打設もこれだけ斜め壁があることを考えると、補修はあったものの上等である。構造の木村氏のうれしそうな顔が印象に残っている。