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期間:2002-2003
用途:専用住宅
所在地:東京都西部
規模:地下1階、地上2階
構造:地下RC、地上S造
用途地域:第一種低層住居専用地域
許容建蔽率・容積率:40%・80%
敷地面積:115.04 m2
建築面積:39.62m2
延床面積:156.63m2(車庫含)
構造設計:ORS事務所
施工:大同工業 高島望
写真:平井広行
October Ueda and Nakagawa Architects

敷地は、勾配方向に対して直角という少し珍しいタイプの土地です。スキーのジャンプ台のような急な下りの道路に面しています。雨の日には車がスリップして出られないほどです。ミニ開発風で、小さく区画され、40%という厳しい建蔽率のためドールハウスのようにかわいい家が並んでいます。首都圏の住居系地域で小さく区画された土地は、常に容積率より建蔽率の方が問題です。住むのはご夫婦2人で住居兼事務所(SOHO)です。

勾配に直角ですから左右の隣地は一方は高く一方は低い。当の敷地は更地の状態で、隣地の低い側の擁壁天端に合わせて現況地盤が出来ていました。道路との関係で言えば敷地の間口中央のレベル+100〜150程度を敷地レベルと考えるのが自然ですが、実際の地盤面は低い側の敷地端のレベルにあったということです。これを「すでに掘ってある」と見なせば掘削には有利な条件です。そういうこともあって、建蔽率問題をクリアすべく地下をメインの空間にすることにしました。

建蔽率対象外になるまで1層目を沈めます。現況のおかげで掘削土量が比較的少ない、傾斜地のため山留め工事が高い側だけですむ、傾斜地の中央なので地下水位の問題が少ない。これらの条件のため半地下状態の地下は高いコストパフォーマンスで実現できるわけです。両隣の承諾を得て、施工可能な範囲で隣地境界ぎりぎりまで地下を造り、地上階では不可能な平面的広がりを獲得します。その代わり、地上部は隣地境界からそれぞれ2mと大きな距離をとり細い箱型としました。

延床面積の6割を占める地階には、スタジオ、ドライエリア、階段ホール、応接スペース、WIC、ユーティリティ、浴室があります。螺旋階段の後ろのボリュームは、上部が駐車場、下部が倉庫です。スタジオ、ユーティリティ、浴室にはトップライトがあり、高い反射率の内装によって非常に明るく、閉塞感を感じさせない空間になっています。1階には車庫と個室があり、両サイドにテラス。2階はペントハウス的な感覚のLDKワンルーム。ワンルームですが、床と天井のレベルが変化しており、緩やかなゾーン分けがなされています。