HK
期間:2001-2002
用途:専用住宅
所在地:千葉県
規模:地上3階
構造:S造
用途地域:第一種中高層住居専用地域
許容建蔽率・容積率:60%・200%
敷地面積:180.29m2
建築面積:76.845m2
延床面積:185.163m2(車庫含)
構造設計:テクトニックコンサルタンツ
施工:岩堀建設 岩堀カズミ
写真:平井広行
October Ueda and Nakagawa Architects

敷地は、駅に近い北向きの開発地で旗状地です。駅近の利便性があり、旗状地でリーズナブルですので良い土地です。建築的な使命としては、光とプライバシーと開放性を獲得することになります。住まうのは、ご夫婦2人+室内犬2+ネコ1+車2です。採光、プライバシー、開放性の課題に加え、2台分の屋内駐車場とワンちゃん達のための非常に緩い階段が必要とされました。

旗状地ですから四周を建物に囲まれる運命にあります。竿の位置から車庫の位置は自動的に決まります。難しいのは2台分という点で、1台は斜めに入れる以外にありません。わずかでもエントリーの際に息が付けるように建物を奥に寄せて配置します。外部空間は圧迫感から逃れられないため建物を四角い大きな箱とし、内部にボイドを大きくとることで、内部空間をゆるくします。ヴォイドとは、3層吹き抜けの階段室でありテラスです。

1台が斜めどめの車庫はその形から円弧で納め、1階の小さな2つの部屋も円弧で区画しました。この2つの円弧に挟まれた部分をエントランスホールとし、奥に導くような感覚を与えます。平面の約1/3を占める奥の階段室は、1つの平面で2層分上がるほど緩い勾配です。2階は、階段室の吹き抜けに対して開かれたワンボリュームで、端に円弧で区切られたサブルームがあります。外に対しては、プライバシーを保ちやすく、視線も広がる腰高のリボンウィンドウを設けました。3階は長手方向に沿ったテラスが中央にあり、南に階段室、北に寝室およびユーティリティがあります。中央のテラスは両サイドガラスで、居室には高い開放性とプライバシーを、階段室の吹き抜けには大量の天空光を与えています。それによって階段室は巨大なハイサイドライトとして機能することになり、下階まで十分な光を供給します。

わずかに残された北側のアプローチ空間に明るいたたずまいを与えるため、北側外壁はガラス系材料(波板)に特殊シール材とし、特注で社名プリントをはずした断熱材のシルバーフィルムが透けて見えるようにしました。そのため外壁はライトブルーシルバーに見えます。