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期間:2002-2003
用途:医院
所在地:神奈川県川崎市
規模:地上2階
構造:1階RC造、2階S造
用途地域:商業地域
許容建蔽率・容積率:80%・325%
敷地面積:331.25 m2
建築面積:154.63m2
延床面積:230.95m2(車庫含)
構造設計:ORS事務所
施工:ケイワイ建設 大木健
写真:平井広行
October Ueda and Nakagawa Architects

商業地域に建つ医院です。敷地は比較的広いので助かりますが(建替なので工事中は大変でしたが)、地盤が悪く、特に地下水位が高いのが難点です。強い雨が続くと前面道路は冠水します。

建主さんはRCを希望されていましたが、このような場所なのでコストバランスの点ではあまり重くしたくないところです。1層目は医院、2層目はセカンドハウス的なスペースということで性格が異なるので、1層目をRCとし、2層目を鉄骨造として軽量化に役立てました。

1層目は患者を迎え入れるパブリックな場所ですから外に対して開きたいところで、2層目は逆に周辺環境から言っても閉じてプライバシーを守りたいところです。しかし、1層目は閉鎖的な空間になりやすいRCで、2層目は開放的な空間を作りやすい鉄骨です。この二重に反対の条件を活かしたいところです。

近年の保健所の指導は、細かく区画することを要求しています。機能上も多くの袖壁やコア的な部分が必要ですので、1層目は壁構造とするのが素直です。壁構造としては大きな開口を複数もっていますが、後述のようにそれらの部分は上階の荷重をほとんど受けていないので、サッシュ様の部分がスラブ自重+αとクリープ変形を受けもっているのみです。

1層目内部が細かく区切られるため、2層目は逆に広いワンルームとして一息をつきたいところです。2層目の鉄骨の構造体は逆M字型の柱ブレースのセットとして空間内部に配置しています。表し(あらわし)にし視線を通すことで、1フロア・ワンルームを成立させています。構造体を内部に配置したことで外周部(外壁)はほとんど荷重を受け持たなくてすみますので、1層目の構造構成とは無関係な位置・形状にできます。大開口も気にしなくてよいのです。形が任意で軽く作ることができるので、チャンネルを細かく並べたカーテンウォールとしました。

1層目は開いた重い矩形、2層目は閉じた軽い曲面です。外部から見ると、2層目のボリュームは1層目スラブの上に乗っているだけで、構造的に全くリンクしていないように見えます。2つの層は正反対の質を持ちますが、対比的に扱う一方、内的には繋がりも持たせています。8.3m×2.3mの大型トップライトとその下の吹き抜けや光庭としての中庭が2つの層を貫通しています。