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期間:2007-2009
用途:庫裡
所在地:東京都練馬区
規模:地下1階,地上2階
構造:RC
用途地域:第一種低層住居専用地域
許容建蔽率・容積率:50%・100%
敷地面積:820.00m2
建築面積:479.94m2
延床面積:559.51m2
共同設計:関野阿希子/Sekino Architects Office
構造設計:山田 誠一郎/dos
施工:佐藤秀 川向達也
写真:平井広行
担当:上田知正、藤村和久
October Ueda and Nakagawa Architects

寺院の付帯施設、庫裡です。内的な事情として本殿より低くなければなりませんが、私たちはさらに、建物高さを元々あった敷地境界のコンクリートブロック塀の高さにまで、可能な限り近づけたいと考えました。大きなセットバックに加え、近隣環境に対して出来る良い配慮だからです。

低くするためには、地下方向に進むか水平方向に進むかです。既存の塀(土圧のかかる部分は一部RC)の内側には土が盛られていましたので、それを撤去するだけでも相当な土量です。したがってさらに掘らねばならぬ地下は少なめとし、基本的に水平方向で面積を確保することにしました。セットバックがあったので、塀は新規に作ることになるわけですが、この方向性の中では外壁で塀を代用することは自然な成り行きです。RC壁はブロック塀より強固ですからより安全な方向に振れるので良いことですが、印象としては圧迫感が出がちです。なので低くすることはなおさらでした。

外周道路は南に行くほど下がっており、塀のように存在させるため建物全体がその勾配に従うことになります。屋根勾配イコール道路勾配となります。どうしても2層目が必要な部分は敷地の奥に位置させ、外周部の低さを損なわないようにしています。

元は車両入口が西側道路に面していましたが、セットバック後も十分な幅員が得られないことから、ゆとりがある南側に設け、敷地中央を上って行くようにしています。それによって二世帯の庫裡を区分し、塀的な外周部に取りづらい開口をこの敷地内ストリートに対して開いています。

建築論的には、直交座標をそれとして担保している約束事を解除して、個々の空間に相互に押し合いへし合いさせて必要なボリュームを確保させ、外形は敷地境界によってカットするという手法をとっています。全体像はその結果です。西洋的な直交座標ほど絶対的色彩は強くないものの、やはり軸や直交性に従っている敷地において、このような有り様が許されると考え、また許されたところを見たいと考えたのは、日本の伝統的宗教のもつ寛容さと、それに対する敬意からです。